私:当ブログ運営者が、発作性心房細動を発症し、カテーテルアブレーション手術を受け、その後半年までの経過を公開。
Apple Watch購入
2017年1月、Apple Watchを購入!
心房細動の発見にはApple Watchの役割が多大なのだからこれは記しておかねばならないだろう。
私が購入したのは、Apple Watch Series 2 Nike+ 42mm シルバーアルミニウムケースとフラットシルバー/ホワイトNikeスポーツバンドだ。
最初のApple Watchが発売された時にはあまり興味はなかった。自分には使い道が思い当たらなかった。
そもそも最初のApple Watchがリリースされた当時はコミュニケーション機能がフューチャーされていたのではないかと記憶しているが、あえてwatchでやり取りする意味が見出せなかった(意外にも今ではメッセージアプリの利用頻度がかなり高いことになっている)。
それがseries2になって、ワークアウトの機能が充実してきた。これは、トレーニングの効果の向上やモチベーションアップに役に立つに違いないと思ったし、いろいろな可能性に魅力を感じ始めてきたのだ。
これが、大正解だった。
よく使うアプリ・機能は、「Wallet」でSuica、「メッセージ」、「アクティビティ」、「ワークアウト」のほか、標準アプリ以外では、エクササイズ用途に、心拍ゾーンをチェックしながら運動の強度を調整するのに役立つ「Zones」、ストレッチのインターバルを計測するのに「周期タイマー」などといったところ。
充電している時以外は、今でも常に左腕にはめている。
食事中に不整脈を感じる
ジム通いを始めてちょうど2年経過した頃。体調にも全く何の問題もなく、いや、そうじゃないか、腰痛ナドナドで整骨院に通ったりはしてたが、それ以外は問題なく。以前と比べると、腰痛はあるとはいえ以前よりは軽くなったと思うし、体が軽く感じるし、歩き回ったり動くことが億劫でなくなってきたなあと効果を感じていたくらいだった。
そんな8月(2017年)の休暇中の旅先でのこと。
食事中に突然不整脈を感じるようになった(年齢53歳)。
「トトトトト…」という感じに心臓の鼓動を感じるのである。特に苦しいとかいう感じは全くないのだが、とにかく心臓が細かく鼓動するのを感じるのである。
これを頻脈というらしい。ただ、食事を終えると何もなかったかのように治る。それ以外特に不調もない。
それが、ほぼ食事のたびに感じるようになった。
あまり、重大に考えていなかったのだが、旅から帰ってからも時々起こるので、かかりつけの病院の先生に話してみると、それじゃあと心電図の検査。
結果はやはり異常なし。
念のためにということで、携帯心電計をいうものを貸し出された。
スマホより少し大きいくらいの箱型の装置で、素肌の左乳頭の約5cm下に電極を密着させ測定するというもの。
頻拍を感じたら測ってみてくださいということだった。測定結果がメモリーに記録されるので次回通院時に検証できるのだという。
10日間ほど使ってみて調べた結果、何度か脈の乱れが記録されていたがさほど強い乱れではないようなので様子を見ましょうということで終わってしまった。
その後いつの間にか頻脈を感じることもなくなっていた。
Apple Watchの心拍数アプリから始めての通知
ある晩秋の朝(2017年11月7日年齢54歳2カ月)。起床してから暫くした時、Apple Watchのバイブレーションが振動し、心拍数の異常を知らせる通知が立て続けに4回続いた。
「心拍数」アプリは起動して何度かチェックしてみたことはあったが、そのときどきの心拍数であればほかのワークアウト用のアプリ「ワークアウト」や「Zones」でも計測できるのであえて利用する必要は感じていなかった。
その「心拍数」アプリの機能が、2017年9月20日リリースされた watchOS 4で飛躍的に進歩していたのである。
安静にしている状態に心拍数が 120を超えると通知される設定になっていたのだ。
夜中の寝ている時間帯に120を超えているという通知だった。前述の通り、私は就寝中もApple Watchを左手にはめている。
一抹の不審を抱いたものの、11月のこの時点では、まだ自分の症状について深刻に捉えていなかった。少し飲みすぎたかぐらいにしか考えていなかったのである。
心房細動が発覚
Apple Watchから最初の通知があってから1ヶ月弱経過していた。
その間特に、異常を感じるようなことは起こっていなかった。
その日(12月1日年齢54歳)の朝、Apple Watchに「心拍数」アプリからまたしてもいくつもの通知が表示された。
前日11月30日はなかなかストレスのたまる仕事上の会合に出席して、そのためかどうかわからないが、就寝前にいつも以上に脈拍が早まっているのを感じていて、そのまま床についた。その翌朝のことだった。
やはり、特に苦しいとかいうわけではないのだけれど、明らかに脈が早い状態を自分でも感じた。
この日も前日からの会合の2日目であったが、どうしても欠席できない会合でもなかったので一旦会合のある会議場に寄ってからまっすぐかかりつけの病院に向うことにした。
かかりつけの病院に到着し、事の次第を伝えると早速心電図の検査。
心電図検査の結果には明らかな脈の不正が記録された。
ついに心房細動が検知された瞬間である。
この日は金曜日、かかりつけの先生から、心房細動の専門医のいる総合病院の紹介状を書いてもらって、週末を挟んだ3日後月曜日の診察の予約を取り、とりあえず血栓の発生を抑える薬(リクシアナ錠30mg)を処方され帰宅となった。
この日の心拍数はそれ以前には経験したことがないような異常な状態だった。心電図検査の測定中も心拍数が早まる状態(頻脈)が続いていたし、その日は一日中頻脈の状態が断続的に続いていた。
それが翌日の土曜日には心拍数はほぼ普通の状態に戻っていた。処方された薬は症状を抑える薬ではないので、おそらく当日病院に直行していなかったら、翌日には症状が一時的に治まっていて発見が遅れていたのかもしれない。
若干、吐き気まではいかないが胸の気持ち悪さはあったものの普通に買い物などで過ごした土曜日の休日であった。
心房細動について調べる
日曜日。前から仕事関係の研修が 1日日程で決まっていた。特に不調は感じなかったので出席。
昼休みの時間帯にiPhoneで「心房細動」について検索しまくってみた。
その結果、専門の先生に診てもらう前に、次のような予備知識が得られた。
不整脈自体に特に苦痛が生じていなくても、心臓の中で血が淀むことで血栓を生じやすくなり、その血栓が心筋梗塞の要因になったり、脳に飛んで脳梗塞を起こしたりする。
薬を飲んで血栓ができにくくする治療方法もあるが、一生飲み続けなければならず、飲み合わせなどの心配もある。また、長くなってくると薬が効きにくくなることもある。
今は手術によってほぼ根治することができるようになった。入院・手術は3泊4日程度で長くかかるものではない。
手術の方法としてはカテーテル・アブレーションと呼ばれる方法で、太腿の付け根から細い管(カテーテル)を心臓まで通し、カテーテルの先端の装置によって、不整脈の原因となっている心房の部位を焼くという方法。
不整脈は心房のある部位が異常な電気信号を発生させるために起こるもので、この部位を焼灼することでその信号が発生しないようにすることができる。
循環器内科にて初診
週明け、12月4日月曜日。朝は普通に出勤。診察の予約が12時30分なので昼食前に早退して、病院へ向かった。
12:30の予約で30分前までに受け付けてくださいとのことだったので、途中で簡単に昼食を済ませ、11:40ころ病院へ。
1時間ほど待たされて13:30ころ診察、血液検査、心臓エコー検査ののち、今後の方針を決めていくとのこと。
血液検査は4本採血。心臓エコーの検査室のある棟に移動、待ち時間30分くらいののち検査30分くらいかかる。
検査の結果を受け先生の説明を受けた。説明の内容は事前に調べていたことと合致する内容だった。自分としては手術を受けて早く根治したいという気持ちが強かったが家族とも相談しないわけにはいかないので帰宅して自分からも説明し、次回一緒に説明を受けたうえで決めたい旨伝えると、次週の月曜に予約ということになった。
診療支払い:9,410円。
また、以前からたまに起こっていた胸の痛みについて聞いてみると、心臓の可能性もあるだろうということで発作が起こった時に服用するエアゾールの薬(ミオコールスプレー)を処方された(いわゆるニトロである)。それと、かかりつけの先生から処方してもらっていた血栓を抑えるリクシアナ錠30mgは、体型から考えて量が足りないだろうということで60mgに増量となった。
薬局へ16時過ぎ。薬を受け取ってようやく初診のこの日は終了となった。
薬局支払い:3,520円。
次のページに続きます。↓
-
心房細動発症カテーテルアブレーション体験記(3)
循環器内科のH先生の初診から1週間後の12月11日、妻も含めて再度H先生から心房細動の原理の説明、投薬治療とカテーテル手術のそれぞれのメリットデメリット、合併症の危険についても詳しく説明していただいた上でカテーテル手術を受けることにした。