iPhoneで撮った写真はiCloudの「マイフォトストリーム」をオンにしてあればMacの「写真.app」に自動的に取り込まれる。
これが超絶楽チンなので、最近はiPhoneで撮った写真はもっぱらこれで済ましている。
旅先でもiPhoneで撮ることが多くなってきた。
せっかくだから今回は写真.appで整理してみることにした。
だが海外で撮った写真の整理は一筋縄ではいかない。
取り込んだままだと時系列に並ばないのだ。
iPhoneの標準カメラで撮った場合
たとえば、iPhoneの標準「カメラ」アプリで全く同じ場面を連続して撮影した2枚の写真がある。
連続して撮影したのだから当然2枚は並んで表示されるはずだし、実際iPhoneの「写真」のカメラロールで表示してみれば2枚並んでいる。
ところがMacの「写真.app」で見ると、とんでもない順序で表示される。
ちなみに写真.appではスマートアルバムを作成して古い順に表示している。そうすれば当然時系列で古い順に表示されるはずだ。
それなのにだ。
むろんデタラメでこういうことが起きているわけではないだろう。
そこになにがしかの規則性があるはず。
サムネールを右クリックするか、「ウインドウ」メニュー「情報」で、「情報」ウインドウを開いて、それぞれの写真の情報を確認して見る。
「情報」ウインドウで確認して見ると、ファイル名が連番だし、撮影時刻も、1分ほどの間に連続して撮影したことが確認できる。
ただ、一目見てわかったことは一方の写真ではGPS情報が取得できているのに対し、もう一方ではGPS情報が取得できていなかったということだ(GPS情報が取得できていればウインドウの下部にマップが表示される)。
そこで次に、「イメージ」メニュー「日時を調整...」でそれぞれの写真の時間帯(タイムゾーン)を確認して見る。
すると、GPS情報を取得できていなかった写真のほうでは、時間帯が日本になっていて、現地の時刻がそのまま日本の時刻として扱われていることがわかった。
つまり、本当の撮影時刻ではなく、時差分だけ実際の時刻からずれた時刻になっている。今回の撮影地はミャンマーなので、その時差は-2時間30分。実際の時刻より2時間30分過去に遡った時刻に撮影したことになっているわけだ。
道理でずれるわけだ。
もちろん、iPhoneの時計は、現地に入国した時点で、「設定」-「一般」-「日付と時刻」で現地の時間帯に変更したのちに撮影している。
「日付と時刻」で選択した時間帯が位置情報としてカメラアプリで利用できれば良さそうなものだがそうはなっていないようだ。
Macの「写真.app」で写真を確認したのは、帰国した後だったので、おそらく、GPS情報がついていない写真の撮影時刻は、Macの「写真.app」を開いた時点でMacに設定されている時間帯の時刻として扱われるということなのではないだろうか。
標準以外のアプリの場合
さて、このような時刻がずれる問題は、標準の「カメラ」アプリ以外のアプリで撮影した場合にも当然起こる。
私は、「MicrosoftPIX」というアプリを使ってパノラマ写真を撮影しているが、この場合、GPS情報があってもなくても時間帯は日本になり、現地の撮影時刻が日本時刻として扱われた(実際の時刻から時差分ずれた)。
「Instagram」で投稿時にカメラロールに保存された写真の場合は、GPS情報がついているものの、やはり、時間帯は日本になり、投稿した時点の現地時刻が日本時刻として扱われた(実際の時刻から時差分ずれた)。一瞬、GPS情報がついているのになぜ?と思ったが、Instagramの場合、投稿した時点で、撮影した写真とは別に新規ファイルとして保存するわけだから、投稿した時点のGPS情報はないのでこうなるということだ。
iPhone以外のカメラで撮った場合
次に、iPhone以外のカメラで撮った写真を「写真.app」に取り込んだ場合はどうなるか。
今回の旅行ではPENTAXのK3でも撮影した。
最近のデジカメなら同等の機能がついているのだと思うが、このK3には「ワールドタイム」というメニューがあって、時間帯を切り替えることができる。
現地に到着した時点で「ヤンゴン(ミャンマー標準時)」に設定した。しかし、GPS機能はついていないので、上述したiPhoneの場合と同じように、写真を撮影した時刻は時差の分だけ過去に遡った時点の日本時間として扱われてしまう。
だったらはじめからこのワールドタイム機能は利用しないほうがよかったということだ。現地時刻ではなく日本時刻になるけど、時刻としては正しい。
時刻がずれる規則性
さて、時刻がずれてしまう規則性がわかった。
- GPS情報がない写真は、時間帯が日本になって、撮影時刻が日本時刻として扱われる(実際の時刻から時差分ずれる)。
- パノラマ写真(MicrosoftPIXで撮影)は、GPS情報があってもなくても、時間帯が日本になって、撮影時刻が日本時刻として扱われる(実際の時刻から時差分ずれる)。
- Instagramで保存した写真は、時間帯が日本になって、撮影時刻が日本時刻として扱われる(実際の時刻から時差分ずれる)。
修正作業
ずれる現象はどの場合も同じ。修正の作業自体は同じことをすれば良い。
「写真.app」のスマートアルバムを使って、修正が必要な写真を抽出して一気に修正しよう。
抽出が面倒なのはパノラマ写真とInstagramで保存した写真。
スマートアルバムの「条件」には「写真がパノラマである」という条件が設定できるのだが、これはどうも標準の「カメラ」アプリで撮ったパノラマ写真しか認識しないようなのだ。
また、Instagramで保存した写真についてはそもそも抽出する条件が設定できない。撮影したアプリを条件として設定できれば良いのだが。
仕方ないので、パノラマ写真とInstagramで保存した写真は、目視で「お気に入り」にマークして抽出することにした。
写真の左下をクリックすると、お気に入りのハートマークがつく。マークし終わったら、「ファイル」メニュー「新規スマートアルバム...」でスマートアルバムの作成だ。
条件に「写真が–お気に入り–である」を設定。
スマートアルバムのすべての写真を選択して、「イメージ」メニュー「日時を調整...」を選択して、時間帯を撮影地に変更する。
この時、日時が時差に応じて自動的に調整されてしまうので、オリジナルと、調整後が同じ日時になるように修正する。
次に、GPS情報がない写真を抽出して修正するのだが、先の作業でGPS情報がついているパノラマ写真がすでに修正済みなのでこれを除外する必要がある。
なので、スマートアルバムの条件は「写真が–GPS位置情報付き–ではない」かつ「写真が–お気に入り–ではない」を設定すれば良い。
このスマートアルバムの写真も同様にすべて選択して修正すればOK。
これで綺麗に時系列に並べることができた。
課題
さて、今回の修正作業をする中でわかったことの一つは、「写真.app」ではGPS情報のない写真は時差によって時刻がずれてしまうということだ。
そしてそれは、「GPS情報がついていない写真の撮影時刻は、Macの「写真.app」を開いた時点でMacに設定されている時間帯の時刻として扱われる」からと予想したのだが、だとすれば、現地で「写真.app」を開いていれば、正しい、時間帯・時刻で表示できていたということだろうか?
さらにいうと、途中まで現地で「写真.app」を開いて確認し、残りを帰国してから確認する。とういうようにしていたら、時刻が正しいものと正しくないものが混在するとういことになるのだろうか?
いずれ機会があったら検証してみたい。