ある日、何かを検索していた妻の iPhone が「ピコン」と鳴り、「なにこれ?」っと妻。
見ると、検索結果のページからリダイレクトされた模様。
「まもなく、iPhoneのSIMカードが破損し、…」(下画像1つめ)って、なんでわかるんですか。
Googleのロゴが表示されているが真っ赤な偽物。不安を煽ってるあたり、不正なアプリをインストールさせたり、クレジット情報を入力させたりする詐欺サイトと考えて間違いない。
「App Store」でアプリをインストールせよ(上画像2つめ)。との指示。もしや、偽のApp Storeに誘導するのか?と、試しに「今すぐ修復」をタップしてみた。
すると開いた画面は、一見App Storeのように見える(下画像)。
画面下から上方向にスワイプしてアプリ切り替え表示にしてみると、間違いなく正真正銘のApp Storeのようだ(下画像2つめ)。App Storeに偽装したサイトなら、「Safari」で開くのがせいぜいだろう。
アプリ自体は正規にApp Storeでリリースされているものだ。どんなアプリなのか見てみると、どうもこのアプリは壁紙アプリのようだ。
ウィルスを除去するのになんで壁紙アプリなのか意味不明だが… 不安を煽られて慌ててインストールしてしまうユーザーも多いにちがいない。
まさに詐欺の手口。許されるはずはないのだが。
だが、そもそも詐欺ページがこのアプリのベンダーの仕業だという証拠がないだろう。あるいは、ライバルを陥れるために第三者が詐欺サイトからリンクを貼っているという可能性も考えられなくもないので、単なる壁紙アプリであるこのアプリ自体には違法性はないということになる。
ともかく、このアプリについてもう少し見てみた。評価はずいぶん高いようだ(下画像①)。金額表示はなく「入手」ボタンになっているのでインストール自体は無料で「App内課金」がある(下画像②)。
スクロールしてApp内課金の内訳を見てみよう(下画像)。
いわゆるサブスクリプションになっていて利用期間に応じて課金されるやつだ。
一週間で(Weekly premium subscription)¥300はまだしも、1ヶ月(Monthly Premium)で¥4,800って高すぎないか。とも思ったが、価値観は人それぞれだからどんな値段でも構わない。
「評価とレビュー」を見てみよう。
ベタ褒めの評価が大量に並んでいるが、サクラレビューにありがちな文体の日本語として不自然な言葉遣いが多い。
「すべて表示」(下画像1つめ)をタップして、並べ替えのオプションボタン(下画像2つめ①)をタップ、「低評価」(下画像2つめ②)を選択して、評価の低いレビューを表示してみよう。
詐欺サイトから誘導されたと思われる方々の「詐欺」と訴えるレビューが多数ならんでいる。
サブスクリプションのApp内課金では、ユーザーが自発的に購入操作をした時点で課金されるタイプと、一定の使用期間が過ぎた時点で自動で課金されるタイプがある。
いずれにしても、Appleから確認のメールがApple ID のアカウント宛に届く…
後者の場合であれば、期限の1日前までにキャンセル操作をすれば料金が請求されることはないことが記載されている(下画像)のだが、見過ごしてしまうユーザーも多いのではないだろうか。
要注意なのは、アプリをアンインストールしてもサブスクリプションはキャンセルはされないということだ。
サブスクリプションのキャンセルの操作は「App Store」の「アカウント」-「サブスクリプション」を開いて行う。
前述のレビューを見ていくと、アプリのアンインストールはしているが、サブスクリプションのキャンセルはしていないのではないかと思えるコメント(下画像)がいくつか見受けられ、老婆心ながら心配になる。
恐ろしいことに、アプリをアンインストールしていても、サブスクリプションがキャンセルされていなければ、エンドレスで課金され続けることになる。
このアプリの場合であれば、毎月4,800円である。
くれぐれも、アンインストールだけでは課金が止まらないと言うことを肝に銘じておこう!
ただし、課金されてしまった・購入してしまった後でも、60日以内であれば、返金の請求をすることができる。→「Apple から購入した App やコンテンツの返金手続きをする(https://support.apple.com/ja-jp/HT204084)」
今回の詐欺サイトにリダイレクトしたそもそものページに戻って、何度か試したところ、詐欺ページは1つではなくいくつか用意されていることがわかったので、以下、掲載しておく。
以上、どなたかのお役に立てば。