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Apple Watchがどうやって私の心房細動を発見したか

2018年2月6日

watchOS4で新しくなった「心拍数」アプリ。 Apple Watchの横の白いのは入院患者を識別するタグ。

 

Apple Watchのおかげで心房細動が発見されて入院手術することになったことを以前の投稿でお伝えしたが、その手術も無事終了した。

病室のベッドの上でiPadに向かうことができるようになったので、この機会に今回どのようにしてApple Watchで心房細動が見つかったのか、その経緯をまとめておくことにした。

 

Apple Watch 心拍数アプリから初めての通知

 

私が使用しているApple Watchは、Series2の42mm シルバーアルミニウムケースだ。

2017年1月に購入してから、充電している時間以外は就寝中も常に左腕に装着し使用している。目的は睡眠分析と目覚まし時計がわり。

睡眠分析は健康管理に少しでも足しになればとApple Watchと連動する「Autosleep」というiPhoneアプリで睡眠の状態をモニターしている。これはなかなか優れたアプリなのだがこのアプリについてはここでは詳しく触れない。あくまでも睡眠分析であり残念ながら今回の疾病発見の契機となった心拍異常とはあまり関係ない。

そもそもそれまでApple Watchに睡眠中の心拍をモニターするなどという用途は全く期待していなかった。

心拍の異常を通知する「心拍数」アプリのアラート

心拍数アプリからの通知

ところがある朝(2017年11月7日)、起床してから暫くした時、Apple Watchのバイブレーションが振動し、上写真のような画面を表示する通知が立て続けに4回続いたのである。そのときの画面はキャプチャしていなかったので、上写真は後日通知があったときにキャプチャしたもの。なので「安静時と見られる17:45から始まった10分間」となっているが、このときは真夜中で熟睡しているであろうはずの時刻を示していた。

Apple Watchが「安静時と見られる」と判断しているのは、Apple Watchが腕の動きなどを検知して運動しているのか安静にしているのかを検知しているのだろう。だとすれば、たしかに眠っているはずで120を超えているというのは確かに早すぎる。120って歩行しているとき以上の活動時の心拍数のはず。

だけれど、このときは昨夜は深酒しすぎたせいかなくらいにしか考えず、正直なところアプリの性能についてもあまり信用していなかった。

 

Apple Watchに知らされる前から兆候はあったが…

 

初めてApple Watchの「心拍数」アプリの通知があったのが11月7日早朝だったわけだが、実はそれより前から兆候とも言える自覚症状はあった。

8月の休暇中の旅先でのことだったが、食事中だけなぜか心臓の鼓動が「トクトクトク…」と早まるのを感じた。なぜか食事中だけなのである。食事を終えると症状も治まり全く正常に戻る。しかし食事をとりはじめるとまた同じように鼓動が早まる。食べ終えると治る。そんなことが何度か続いていたのである。

「ドクッドクッドクッ」というような、いわゆる動悸という感じではなくて、特段苦しいわけではないのだがとにかく「トクトクトク…」と鼓動が早まるものだからなんだか気にはなっていたのだ。
(あとからわかったことだが、この食事中だけに起きる現象は典型的な心房細動の症状なのだそうだ。食道は心臓のすぐ近くを通っているので飲み込まれた食物が心臓を刺激するため起こるらしい)

 

 

携帯心電計でも発見できず

 

私はかなり若い頃から血圧が高めでかつ鼻炎持ちなので定期的に通院している(ちなみにそれ以外はいちおう健康)。旅行から帰り通院した折に主治医の先生にそのことを伝えると、それじゃあ心電図をとってみましょうと検査してみたが全く異常なし。

それでも気になるならということで携帯心電計というものを貸与してくれた。スマホより少し大きいくらいの箱型の装置で、素肌の左乳頭の約5cm下に電極を密着させ測定するというもの。頻拍(心臓の鼓動が早まる状態)を感じたら測ってみてくださいということだった。測定結果がメモリーに記録されるので次回通院時に検証できるのだという。

携帯心電計

10日間ほど使ってみて調べた結果、何度か脈の乱れが記録されていたがさほど強い乱れではないようなので様子を見ましょうということになった。

その後自覚症状は治まって(実は気づいていないだけのことが多いらしい)、すっかり忘れていたのだった。

Apple Watchによって私が自身の心房細動を発見するにいたるには、 watchOS4のリリースを待たねばならなかったのである。

 

 

Apple Watch はワークアウトに使う目的が主だった

 

2017年1月にApple Watchを購入し、だいたい1年間使ってきて、よく使うアプリ・機能は、「Wallet」でSuica、「メッセージ」、「アクティビティ」、「ワークアウト」のほか、標準アプリ以外では、エクササイズ用途に、心拍ゾーンをチェックしながら運動の強度を調整するのに役立つ「Zones」、ストレッチのインターバルを計測するのに「周期タイマー」、それと、この投稿の最初にも述べた睡眠管理の「AutoSleep」などといったところ。

心拍ゾーンを表示する「Zones」のApple Watchでの表示

Zones

「Zones」は、ワークアウト中、リアルタイムに心拍数と運動強度を見せてくれるアプリで、そのときの運動強度が脂肪燃焼に効果的な強度なのか、あるいは持久力・心肺機能の向上に効果的な強度なのか等を簡単にチェックできる。なので、ワークアウト中は「Zones」を使って心拍数をチェックするのが常であったが、それ以外の日常生活で心拍数について意識することはほとんど無かった。

Apple Watchをお使いでない方のために補足しておくと、Apple Watchはユーザが意識しなくとも、バックグラウンドで歩数や移動距離、心拍数等を記録していて、Apple Watch単体で、あるいはApple WatchとペアリングしたiPhoneで確認することができる。

心拍数についてはApple Watchの「心拍数」アプリを起動してユーザがチェックすることもできるが私はほとんど利用したことがなかった。その「心拍数」アプリの機能が、2017年9月20日リリースされた watchOS 4で飛躍的に進歩していたのである。

その新しい機能の一つが、起き抜けの私に心拍数の異常を知らせたあの通知だったのだ。

watchOS 4がリリースされて1ヶ月余。タイミングが良いというのか、見事に異常が捕捉されたのである。

 

 

ヘルスケアの機能が強化されたWatchOS4のリリース!

 

iPhoneの「ヘルスケア」アプリを開くと、心拍数をはじめとしてApple Watchで記録された過去のデータを確認することができる。下画像が、初めて高心拍数の通知に気づいた11月7日を含む10月24日からの1ヶ月間の私の心拍数の月間グラフである。

10月24日からの1ヶ月の月間グラフ

心拍数の月間グラフ

これを見ただけでは異常が発生しているのかどうかわからないが、グラフの下にいくつかのオプションを切り替えるボタンが用意されていて、一番右端の「高心拍数の通知」というボタン(これらのオプションはたしか WatchOS 3まではなかったように記憶している)をタップすると、異常が発生した日が色付きで表示される。

10月24日からの1ヶ月の月間の「高心拍数の通知」を表示

高心拍数の通知を表示(月間)

最初に通知に気づいた11月7日以前にも、10月29日と10月30日にも異常が記録されていることがわかった。

10月29日から30日にかけてのグラフ

高心拍数の通知を表示(24時間)

「日」表示に切り替えてこの29日から30日にかけての時間帯のグラフを見ると(上画像)、29日の深夜23時〜0時の時間帯から30日の0時〜1時にかけて異常が記録されていたことがわかる。その時の通知は記憶にないのだが、あるいは早朝で見過ごしてしまったのかもしれない。

いずれせよ、それより以前には異常な数値は記録されておらず、まさにタイミングよくというか、予兆はあったものの、私の本格的な心房細動の発症を予想してWatchOS 4がリリースされたかのようである。

とはいえ、11月のこの時点では、まだ自分の症状について深刻に捉えていなかった。少し飲みすぎたかぐらいにしか考えていなかったのである。

 

 

ついに疾病が明らかになる日

 

その日(12月1日)の朝、就寝中も左腕にはめているApple Watchに「心拍数」アプリからまたしてもいくつもの通知が表示された。

前日11月30日の夜はいつも以上に脈拍が早まっているのを感じていて、就寝間際にも治らないまま床についた。その翌朝のことだ。

11月30日深夜から12月1日にかけての「日」表示

受診当日の高心拍数の通知

Apple WatchとペアリングしているiPhoneの「ヘルスケア」アプリに記録されている「心拍数」で確認してみると就寝中であるにも関わらず深夜から早朝4時台にかけて120を超える数値が連続して記録されていた(上画像)。初めてアプリからの通知に気づいた11月7日と比べてもはるかに多い回数だ。

これは明らかにおかしいと確信し、今日は病院に行こうと決心した。

この日は前日から2日間の日程で出席しなければならない仕事上の会合に自宅から直行する予定だったのだが、どうしても出席しなければならない会合でもなかったのだ。同じ職場からもう一人出席することもあり、一言伝えておけばまあ誰もひどく困る人はいないはず。即、欠勤を決めた。

しかし、その会合に持参しなければならない資料があったのでやむなく一旦会合のある会議場へ。資料を担当者に預け、今日はちょっと体調が悪いので休ませていただきますと伝え、さらに職場の上司にもその旨を電話連絡し、そこからまっすぐかかりつけの病院に向かった。

かかりつけの病院に到着し、事の次第を伝えると(Apple WatchとiPhoneで心拍をモニターしていることは前から知らせていた)、早速心電図の検査となった。

 

 

心房細動の診断が下る

 

心電図検査の結果には明らかな脈の不正が記録された。先生曰く「ようやく捕まえましたよ!心房細動ですね!」と心なしか嬉しそうである。

これまでにも毎年必ず職場の定期検診およびかかりつけの病院で心電図検査は受けていたが、一度も異常が発見されることはなかった。不整脈は発作が起こっているその瞬間でなければ心電図には異常が記録されないのだ。

通知に気づき、iPhoneの記録を確認したことでその異常な状態に気づき、病院に駆けつけたことで、まさに異常な瞬間をようやく検査で捉えることができたということだ。

この日はかかりつけの先生から、連携している心房細動の専門医のいる総合病院の紹介状を書いてもらい、とりあえず血栓の発生を抑える薬を処方され帰宅となった。

 

 

そして手術

 

その後、専門の先生の診察を受け手術(カテーテルアブレーション)を受けることを決意。手術の予定が埋まっていたため、1ヶ月以上の後となったが1月17日に無事手術を終えた。

入院から手術、退院までについて詳しくは別の投稿で→「心房細動発症カテーテルアブレーション体験記(3)」(自炊自賛)

手術後は、しばらくの間は頻脈や不整脈が生じることもあるとのことで今は経過を見ている状態だが、いずれは完治するものと期待している。

心房細動の治療にあたっては手術せずに内服薬による治療も可能なのだが一生薬を飲み続けなければならず副作用の問題もあるという。すぐに手術が決断できた背景にはこちらのブログ→「★【カテーテルアブレーション体験費用日記】不整脈(心房細動)が治った!慈恵医大病院名医山根先生」がたいへん参考になったのでリンクしておく。

 

 

iPhoneで心拍変動を見る

Apple WatchとペアリングしているiPhoneの「ヘルスケア」アプリを開いて「心拍変動」というオプションで問題の12月1日を含む1ヶ月のグラフを表示してみよう(下画像)。

iPhoneの「ヘルスケア」アプリで「心拍変動」を表示

心拍変動を表示

「心拍変動」とは、脈拍の周期の揺らぎを表す数値で、脈拍の周期に揺らぎがあるのが健康な状態なのだという。参照→「心拍の揺らぎを知ろう 飛ぶ脈・極端に遅い脈は要注意」

ただし極端な変動は揺らぎというより「乱れ」であって通常の心拍の揺らぎとは区別されるということだ。グラフを見ると最初にアプリの通知に気づいた11月7日の数値も跳ね上がっているがこの12月1日は一目でわかる極端な異常さである。

心房細動(不整脈)の恐ろしさは、心臓の中で血液が淀んで血栓ができることで脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすことにある。

 

 

まとめ

 

Apple Watchを使っていなかったら、Apple Watchで通知を受けていなかったら…。あらかじめ通知を受けていたことで、気になっていたからこそ即、病院へ向かう行動につながったのだと思う。そうでなければ症状を重く受けとめず放置し、その結果突然死に至っていたかもしれないのだ。

そう考えると、Apple Watchにいくら感謝してもしきれない。

読者の中には、ちょっと盛りすぎじゃないのかと訝しむ方もいらっしゃるかもしれない。また、Apple Watchよりももっと安価で性能が良い心電計があるよとのコメントをネットで見かけたこともある。

しかし、自分が健康だと思っている人が心電計なんて買うだろうか?

私がApple Watchを購入したときは、心臓に問題があるなどとこれっぽっちも思っていなかった。

持つ人の期待を超える結果をもたらしたことがスゴイと思うのだ。

この記事をお読みのあなたがもしApple Watchに興味があってまだ手に入れていないなら、迷っていないで購入されることをお勧めする。

みんなが心房細動を発症するわけではないことはもちろんだが、Apple Watchは持つ人それぞれに、想像を超える何かをもたらしてくれる可能性を持っていると思う。

そしてもし万一異常の通知を受け取ったら必ず病院で精密な検査を受けてみてほしい。

私の場合、幸いというべきか、その日が出席したくない出席しなくてもなんとかなる会合であったため通院を即決できたが(その会合の1日目のストレスが発症を誘発したと考えられなくもないが)、あなたがそういう状況でなかったとしてもなにはさておいて直ちに検査を受けられることを強くお勧めする。

 

 

手術後半年が経過し、時系列で経過をまとめた記事を投稿しました。各時点の年齢、支払った医療費も公開しています。

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